初めて進行方向別通行区分を観た日。|日曜演奏会 @神田明神ホール

 9月25日、神田明神ホールで行われた日曜演奏会で、進行方向別通行区分のライブを観てきた。

 2020年の暮れ、たまたまYouTubeのおすすめ欄に出てきた『三十世界2』に一瞬で心を奪われてから約2年。あの時から、毎日暇な時にはメルカリを覗いてアルバムの出品を待つ生活を送ってきた。この2年で、『NEW相対性理論Ⅱ』以外の全てのフルアルバムを揃えた。そんな進行方向別通行区分をようやく観ることが出来た。

 会場は、御茶ノ水にある神田明神ホール。Google Mapを頼りに近くまで来たものの、それらしき建物が全く見当たらず、しばらく周りをうろうろとしていると、関係の無さそうな小さな商業施設の周りに人だかりができていることに気付いた。調べてみると、どうやら神田明神ホールは神田明神の敷地内にある神田明神文化交流館 EDOCCOの2階にあるらしい。紛らわしいなぁ。

 このライブはスリーマンライブとなっていて、最初のアクトはSouth Penguinというバンド。初めて観るバンドで、勝手に進行方向別通行区分のようなインディーズ感のある直球のロックバンドなのかなぁと思っていたら、ステージ上にサックスとコンガやボンゴがセッティングされていて驚いた。曲自体は、少しトーキング・ヘッズみを感じる硬派なオルタナティブ・ロックという印象を受けたのだけれど、そこにコンガ・ボンガがファンキーなリズムを加え、そうして作り上げられた、硬さを感じながらもしっかりと踊れるサウンドの上に、サックスがこれでもかと縦横無尽に暴れ回っていて、比較できるバンドが見つからない唯一無二の世界観を作り上げていた。ボーカルも、優しく囁きかけるような歌い方を貫き通すのかと思いきや、所々でシャウトを挟み、またそれをエフェクターで加工し反響させるなど、サウンド的にも前衛的な試みをしていて、聴いていてとても面白く、ワクワクさせられた。CDを買って帰ろうと思ったのだけれど、物販にはLPしかなかったので諦めた。また今度、しっかり聴き込んだうえでライブを観てみたい。

 次のアクトは、芸人の街裏ぴんくさん。漫談をされると聞いて、笑点のような高尚なお笑いをイメージしていたのだけれど、全くそんなことはなかった。どう考えても実際にあったとは考えられない大嘘を、『いやこれ本当の話ですよ!』『信じられます?これ本当にあったんですよ!』と何回も念を押しながら話すという、ごり押して強制的に笑わせるその単純かつ豪快な手法は観ていてとても面白く、自分が漫談というものに抱いていたイメージを粉々に砕いてくれた。『信じられます!?』と顔を紅潮させながら、そして大声で唾を飛ばしながら、至って真剣に大嘘を本当だと言い張っている姿には若干の狂気が感じられて、そこに感動したというのもある。話の内容は『マクドナルドで居合わせたオバちゃんをよく見たらオオサンショウウオだった』『ビルの屋上に毛が三本生えていて、夕方になると見世物としてライトアップされている』など、進行方向別通行区分の歌詞にも通ずる馬鹿馬鹿しさのものばかりで、この方が出演者として呼ばれた理由も少し分かるような気がした。

 長い転換が終わると、いよいよトリの進行方向別通行区分。映画『となりのトトロ』から「風の通り道」が流れ始めると、左手からメンバーが次々と入ってくる。立ち位置は、左から橋本アンソニーさん、真部脩一さん、西浦謙助さん、田中さんという順。それぞれの演奏の準備が終わり、SEの「風の通り道」が止まると、演奏が始まった。

 セットリストは、初期のアルバムである『世界は平和島』『三十世界2』からの選曲が多めで、まるでベスト盤のようなライブだった。個人的には、ライブで聴きたかった「白兵戦」や「独身ボクシング」、「大塚娘」を生で聴くことができて本当に嬉しかった。やっぱり『世界は平和島』に収録されている曲には、初期衝動とも言うべき荒削り感や熱みたいなものが籠もっていて、とてもライブ映えする曲が多いなぁと観ていて思った。そしてやっぱり触れておきたいのは、1曲目と2曲目に披露された新曲について。『NEW相対性理論Ⅱ』を持っていないから、もしかするとそのアルバムに収録されているのかもしれないけれど、曲名から察するに恐らくアルバムには入っていない曲なのだと思う。まぁ、曲名と歌詞に何の繋がりもない曲も多いので、当てにならない可能性は十分もあるが。1曲目については全く覚えていないけれど、2曲目はとても馴染みやすいギターのリフで、『ナンシードラゲナイ』と歌っていた気がする。これは次のレコ発ライブで販売される新譜に収録されるのだろうか。

 少しメンバーに焦点を当てて書くと、田中さんは少し逞しくなった向井秀徳さんというか、少し痩せた堀込高樹さんというか……どう例えるのが正解なのかはわからないけれど、眼鏡にシャツとジーンズという至って普通の格好なのに、どこか知性と、それと尖りが感じられて、格好良かった。14時30分開演の第一部でも古都の夕べとして出演していたせいか、12曲目の「理論武装」の頃には大分バテていて、歌うのが辛いように見えた。

 真部さんは、バンドでの活動に加えて、他のアーティストへの楽曲提供も行う一流のミュージシャンだけあって、どんなに難しいフレーズでも滑らかにギターを弾きこなしていた。「梅を吸いすぎた男」では、サビに入った途端、演奏を終えるかのように肩に掛かったストラップを外し、ギターを頭の上に掲げた状態でしばらく静止。その後、ギターを床に置いてステージの左右を行ったり来たりしながら、飛び跳ねたり踊ったり、後ろに倒れ込んだりと自由に振る舞っていた。

 橋本さんは、普段からミュージシャンとして活動しているわけではなく、田中さんと違って他にバンドを組んでいるわけでもないから、どんな演奏をされるのか全く予想が付かなかったけれど、他のメンバーに全く劣らない、流石の腕前だった。隣で真部さんが華麗にギターを弾きこなしているからそっちに目が行ってしまうけれど、どんなにテンポの速い曲でも顔色を全く変えずに飄々とスラップでベースを弾き倒すその姿には、少し戦慄してしまった。

 西浦さんは、サポートミュージシャンとして多く活動していることもあって、抜群の上手さ。ただ正確に叩き続けるのではなく、聴いていると段々と体が動いてしまうような、そんな熱量に溢れる叩き方をしていて、それでいて決して走ったりはしない。しかも、本人が楽しそうに叩いているだとか、そういうことは一切関係なく、演奏を聴いているだけで体を動かしたくなってしまう。もしかして、ロックバンドにおける理想のドラマーって、西浦さんなのでは、と観ていて強く思った。アンコールの「池袋崩壊」では、イントロで真部さんのギターのチューニングが狂ってしまったようで、一人演奏を止めて直していたのだけれど、田中さんはずっとあのギターのフレーズを引き続けていた。そんな中、西浦さんは叩くドラムのフレーズを細かく変えて、まるで曲が始まる前のインタールードのように演出していて、トラブルにも臨機応変に対応できるところがとても格好よかった。顔も、髪型がパーマではなかったせいか、『にこにこプンプン丸』のジャケットよりイケメンに感じたし……。あと、「森の妖精ペチャパウナー」の最後の高音のコーラスを、西浦さんが歌っていることにライブを観て初めて気が付いて、結構驚いた。コーラスの他にも、「リンとして電話」などではホイッスルを吹きながらドラムを叩いていて、その多才さには本当に驚くばかり。

 ライブの序盤に演奏された「You say ? 民営化」では、僕がその時真部さんと橋本さんの方に注目していたからよくわからないのだけれど、田中さんの身に何かトラブルが起きたようで、メガネを外してタオルで顔を拭いて、そのタオルを投げ捨てたかと思ったら、そのままギターを置いて袖の方へ消えていってしまった。すると他のメンバーも、田中さんの後に続いて演奏を止めて帰っていってしまった。しばらく待っていると戻ってきたものの、どうやら田中さんのギターに異変が生じていたようで、訳のわからないMC*1をする田中さんの横で、真部さんがしゃがんでギターの調整をしていた。訳の分からないパフォーマンスをするバンドということは重々承知していたけれど、まさか演奏の途中で帰ってしまうとは……と少し驚いた。

 合計で全24曲、途中で田中さんが力尽きて歌うのをやめてしまう部分もあったけれど、大満足のライブだった。何より、キャパシティが300人にも満たない小さな会場で、座ってじっくりと観られたことが嬉しかった。次回のライブは渋谷CLUB QUATTRO。新譜の販売、そして『よーし、いくぞ』以外のフルアルバムも再販されるということで、とても楽しみ。今回は演奏されなかった、ロキノンっぽさを感じる名曲「種明かしは冬眠の後で」や、イントロの力強いドラムが特徴的な「メールぽいぽいが現れた!」など、好きな曲を演奏してくれるといいなぁと思う。

 

セットリスト

01. ドキ分岐(新曲?)
02. ナンシー(新曲?)
03. WHAT'S TIME IS IT NOW
04. ぐるぐるピーマン
05. You say ? 民営化
06. 恋泥棒サム
07. かほちゃん
08. 森の妖精ペチャパウナー
09. 左ハンドル右折します [古都の夕べ]
10. バリボー
11. 海の王者シャチ
12. 理論武装
13. あわのよう
14. リンとして電話
15. バイバイ名古屋県
16. 世界は平和島
17. 白兵戦
18. ぐいっと紅茶珈琲
19. 独身ボクシング
20. 梅を吸いすぎた男
21. 大きい先輩が小さい先輩にキュン
22. ダイナマイト・卒業式

EN1. 大塚娘
EN2. 池袋崩壊

*1:『祖父から明け渡すなと言われていた家を、道路を作るために明け渡すことにしたら、明け渡しの前日に庭の池から石油が出てきた』とかなんとか

初めてKIRINJIのライブを観た日|KIRINJI / LIVE 2022 @渋谷CLUB QUATTRO

 昨日、渋谷にあるCLUB QUATTROで、初めてKIRINJIのライブを観た。

 KIRINJIは僕がずっと生で観たかったアーティストで、ついにその夢が叶った。KIRINJIとの出会いは前に別の記事で書いた通りで、それこそ僕の大好きなバンド体制時代の最後のライブ*1も、出会ったタイミング的には観ることが可能だったのだけれど、不幸にもKIRINJIに本格的にハマったのが、2020年12月のNHKホールでのライブでバンド体制での活動が終了してから、堀込高樹さんのソロ・プロジェクトに変わってから初めてのリリースとなった「再会」が発表されるまでの、ちょうど活動が空白となっていた時期で、ライブを観に行きたくてもそもそも行われていなかった。その後は進学したことで生活が忙しくなり、ライブを観に行くような時間が全く作れなかったのだけれど、ようやく生活も落ち着いてきたので、今回ようやく観に行けることになった。

 今回の公演のセットリストは、主にバンド時代の曲を中心に据え、そこに高樹さんが作詞・作曲を行ったキリンジ時代の楽曲を数曲加えるという、ソロ・プロジェクトになってからはお馴染みのスタイルで組まれていた。意外にも、現在の体制になってからリリースされたアルバム『crepuscular』からの選曲は少なく、それに少し驚いた。春辺りのフェスのセットリストに入っていた「first call」は絶対に演奏されると思っていたし、楽しみにしていたのだけれど……。逆に、キリンジ時代の楽曲からの選曲が予想以上に多く、それも意外で驚いた。メンバーや体制が変わると、過去は過去と割り切って、現在の楽曲だけで勝負するアーティストが多い中で、高樹さんは今まで自分が作ってきた楽曲の全てから分け隔てなく選曲しているように見えて、格好いいなと思う。個人的には、前の記事で『やってほしい』と書いた「新緑の巨人」がセットリストに入っていてとても嬉しかった。ただ、アウトロのギターソロが原曲と違ったので、そこは少し残念だった。それでも、絶対に聴きたかった「雲吞ガール」や「「あの娘は誰?」とか言わせたい」を聴くことができたので、それだけでも来た甲斐はあったなと思う。欲を言うと「shed blood!」や「雑務」、ベースの千ヶ崎学さんがボーカルを務める「悪夢を見るチーズ」、女性のサポートボーカルが居ることを活かして「うちゅうひこうしのうた」なんかも演奏してほしかったな……と思ったり。

 今回はサポートメンバーとして、シンガーソングライターや作曲家としての活動で知られる小田朋美さんがシンセサイザー・ボーカルで参加。そのお陰で、「killer tune kills me」や「薄明」、「雲吞ガール」などの曲たちが、女性ボーカルの入った本来の形で聴くことができた。新しく聴き始めたファンとしては、これが本当に嬉しかった。また、本来は女性ボーカル曲ではない「「あの娘は誰?」とか言わせたい」も、Aメロで小田さんがボーカルとしてところどころ参加していて、まるでデュエット曲のように思えてとても新鮮だった。

 実際にライブを観て驚いたのは、高樹さんのMCが面白いという点。MCの内容について何も考えてこなかったと言いつつ、「喋らないと早く終わっちゃうからね……」と溢し、グッズの話をしようとするも「これアンコールで話すことだから……」と言って諦めたり、ライブ中は手元がよく見える眼鏡を掛けているせいで、下の曲順表や客席がよく見えないという話をして、千ヶ崎さんから「そんなこと言わなくていいの!」と突っ込まれたりと、自然体のボケが多くて思わず笑ってしまった。「気を許すとすぐ老いの話になってしまう。気を付けてるんだけど……」と若干落ち込みながら話しているのも良い。メンバー紹介では、サポートメンバーとしてキーボードを務める宮川純さんが、「最近はサポートでLUCKY TAPESとかAwesome City Clubとか、シティ・ポップづいているなと思っていて、そんなシティ・ポップの元締めのような、ねぇ……呼んでいただいて」と言って笑いを取り、それに対して「そんなつもりは無かったんだけど、それで聴く人が増えてるならまぁいいかなって感じで。」と返していて、そこから高樹さんのシティ・ポップに対するスタンスのようなものが見えて、とても印象に残った。

 音響に関して触れると、最近観たライブの中で一番ベースの音がはっきりと聞こえた。ベースの音は他の楽器の音に埋もれてしまい、ぼんやりとしか聞こえないことが多いので、そこは特筆すべきところではないかなと思う。それに加えて、ドラムの音もかなり前面に出ていた。ベースとドラムを強調するということは、それだけリズムやグルーヴに重きを置いているということで、やはり近年の楽曲の特徴からしても、それは間違いないことなのだと思う。あと、単純にサポートメンバーとしてドラムを務めていたBREIMENのSo Kannoさんの演奏がとても上手かった。一打一打に重みをつけてグルーヴを意識しながら、それでいてテンポが常に正確で、パッドを交えても片手でシンバルを刻んでも、全くブレていないことにとても驚いた。BREIMENは最近YouTubeのオススメ欄に出てきた「チャプター」という曲を聴いてからずっと気になっているので、これを機にちゃんと聴いてみようと思う。

 今回の公演では、僕の好きな『愛をあるだけ、すべて』『cherish』からの選曲が多くて、観ていてとても楽しめた。その一方で、KIRINJIから入った新規ファンとしては、キリンジ時代の楽曲はその量の多さやボーカルの違いから、全て聴くにはハードルが高く、やるだろうと事前に予想していたものの、忙しくてあまり聴くことが出来なかったので、次のライブまでにはしっかりと聴いて臨みたいと思う。次のライブでは、出来れば「愛のCoda」と「千年紀末に降る雪は」のどちらかが聴けたらいいなぁと思う。

 最後に、今回のライブは昨日と今日の2日間にわたって開催されていて、今日の公演はオンラインでも配信がされる予定となっている。僕はこれから配信を観るので、この辺りで失礼します。ちなみに、16時半から行われたリハーサル配信では、「Almond Eyes」「silver girl」「雲吞ガール」を途中まで、「僕の心のありったけ」をフル尺で演奏していたので、特典付き視聴券を買うか迷っている方は参考までに。

 

セットリスト

01. だれかさんとだれかさんが
02. 非ゼロ和ゲーム
03. 新緑の巨人
04. killer tune kills me
05. タンデム・ラナウェイ
06. 薄明
07. Almond Eyes
08. silver girl
09. 僕の心のありったけ
10. ブロッコロマネスコ
11. 雲吞ガール
12. 「あの娘は誰?」とか言わせたい
13. Golden harvest
14. 都市鉱山
15. The Great Journey
16. Rainy Runway
EN1. 再会
EN2. 悪玉
EN3. 時間がない

*1:KIRINJI LIVE 2020のこと。

テクノファンの見た夢|Underworld Sakanaction; @東京ガーデンシアター

 昨日、有明にある東京ガーデンシアターで行われた、Underworldサカナクションのツーマン公演、『Underworld Sakanaction;』を観てきた。

 当初は7月の6日・7日に行われる予定だったこのライブは、サカナクションのボーカル・山口一郎さんが体調不良により活動を休止してしまったため延期。今月の4日・5日に振り替えられたものの、それでも体調が回復しなかったため、サカナクションは山口さんを除く4人体制で、DJセットでの出演となった。山口さんはツーマンライブが決まった時、わざわざ自身がパーソナリティを務めるラジオ番組、NHK-FM『Night Fishing Radio』でUnderworldの特集を組み、その経歴や魅力を詳細に語り、さらに『「Born Slippy .NUXX」のキックの音は聴いた人を惹きつけて離さないよう計算されて作られていて、「ルーキー」を作る際には皆で研究した』というエピソードまで話す熱の入りようだったので、フェスやワンマンだけでなく今回の公演も出演をキャンセルしたことには結構驚いた。それに伴って払い戻しも行われ、僕も両日取っていたチケットのうち、2日目のチケットは払い戻すことにした。勿論、山口さんが出演しないからというのもあるけれど、一番はD.A.N.のワンマンライブと被ってしまったからだった。山口さんの復帰も間に合わなかった訳だし、どうせなら12月辺りに振り替えてくれれば良かったのに……と思うのが正直なところ。

 公演当日。開場時間を少し過ぎた頃、会場である東京ガーデンシアターに到着した。こういった指定席でのライブは席種ごとに案内されることが殆どなので、一番良いアリーナS席を取っていた僕は比較的早く案内されるだろうと思い、わざとギリギリの時間に向かったのだけれど、なんと席種は関係なく、早い者順での入場だった。サカナクションUnderworld、両者の中に混じって会場に入ると、コラボグッズの売り場にはもう既に多くの人が並んでいた。早めに家を出なかったことを後悔しつつ列に並ぶと、そこから列はどんどん伸びていき、20分ほど経った頃には、なんと上の階まで達していた。それもそのはず、サカナクションの物販レジは4つほどあったのに対して、コラボグッズの売り場には2つしかレジが無かった。『開演まであと30分なのに大丈夫だろうか……』と心配しながら並んでいると、レジ前の最後の直線に差し掛かったところで、コラボタオルが売り切れに。なんとかレジに辿り着くと、欲しかったLサイズのTシャツは残っていた。この時点で、時刻は開演の20分前。僕はそれを買って、急いで座席に向かった。開演時間が遅れてしまわないか不安だったけれど、あの後グッズはすぐに売り切れたようで、開演が大きく遅れるようなことは無かった。

 開演時間を少し過ぎたあと、ステージの左手から4人が登場。立ち位置は、右手からキーボード・岡崎恵美さん、ベース・草刈愛美さん、ドラム・江島啓一さん、そしてギター・岩寺基晴さん。DJセットの隣にはキーボードが置かれ、曲によっては岡崎さんが度々移動し、「僕と花 (sakanaction Remix)」ではイントロのフレーズを、「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」ではバッハの「チェンバロ協奏曲」のフレーズを演奏していた。また、草刈さんはベースを持って登場し、「834.194」や「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」では生のベースを、僕と花 (sakanaction Remix)」ではシンセベースを弾いて曲のグルーヴを作っていた。

 ステージの後ろにある巨大なスクリーンで流れる映像は、『SAKANAQUARIUM 光 ONLINE』や『NF OFFLINE FROM LIVING ROOM』など、サカナクションの映像作品やステージの演出に度々携わってきた、真鍋大度さんの率いるRhizomatiksが担当。Rhizomatiksは普段から、山口さんが主宰しているカルチャーイベント「NF」でVJを担当していて、メンバーの草刈さんや江島さんのDJに合わせて演出を行う機会は多くあったので納得の人選。その時はいつもモノクロで硬派なビジュアルを貫いていたから、今回の公演でも同じような演出をするのかと思いきや、原色を派手に用いた色鮮やかな映像が終始流れていて驚いた。これは、草刈さんや江島さんが、普段のDJでは派手な緩急が無く音数も少ないテック・ハウスなどを中心に選曲しているからで、今回の公演でフィーチャーされたような派手な緩急で観客を煽るEDM的な曲に合うVJを考えた結果がこれなのだろうと思う。系統が違っても柔軟に対応するところに、Rhizomatiksの凄さを改めて感じた。

 セットリストに関しては、公式ファンクラブ・NF memberに掲載されたリハーサル映像でされた、『過去にライブでDJセットで披露した曲や、メンバーが手掛けたリミックスがメイン』『この公演の為に作ったアレンジもある』という説明の通り、DJセットでは定番の「INORI」や「SORATO」、山口さんの単独ツアー『NF OFFLINE』でも披露された草刈さんアレンジの「ユリイカ」などが演奏された。そして気になる『この公演の為に作ったアレンジ』は、「834.194」「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」の3曲。3曲ともフェスやツアーで別のアレンジで披露されたことはあるものの、それとはまったく異なる、この公演のためだけのアレンジだった。

 個人的な感想を言えば、2012年の『ZEPP ALIVE』ツアーを最後に演奏されていない、シングル『夜の踊り子』収録の「僕と花 (sakanaction Remix)」や、2014年に出演したフェスやツアーで披露され、LIVE DVD/Blu-ray『SAKANATRIBE 2014 -LIVE at TOKYO DOME CITY HALL-』にも収録されている「Ame(B) -SAKANATRIBE MIX-」は、当時のライブでしか聴くことのできない封印された曲だと思っていたので、聴くことができて本当に嬉しかった。また、「Ame(B) -SAKANATRIBE MIX-」と「SORATO」は肝となっている歌のメロディーが同じため、このようにメドレーで披露されるのはとても意外だった。多分もう無いんじゃないかな、と思う。

 「SORATO」で会場の盛り上がりが最高潮に達し、そのまま終わるかと思いきや始まったのは「グッドバイ (NEXT WORLD REMIX)」。LIVE DVD/Blu-ray『SAKANAQUARIUM 2015-2016 "NF Records launch tour"』から同曲の演奏シーンを抜き出し、山口さんが歌っている様子が後ろの大きなディスプレイで映し出され、『例え一人欠けていたとしても私たちは5人でステージに立っている』と言わんばかりの、サカナクションの絆の強さが伝わってくる演出には、思わず踊ることも忘れて見入ってしまった。曲が終わると、メンバーが一人ずつ「ありがとうございました」と挨拶をした後、江島さんが「この後のUnderworldも楽しんでいってね!」と言ってサカナクションのステージは終わった。

 30分の長いセット転換を挟んだ後、女性の語りなどがコラージュされアップデートされた「Juanita 2022」からUnderworldのステージが始まった。先月の30日に行われた大阪・なんばHatchでの単独公演では「Cups」や「Kittens」など、アルバム『Beaucoup Fish』からの選曲がメインだったのに対して、今回は『Rez』のカップリング曲である「Why, Why, Why」や、映画『ザ・ビーチ』のサウンドトラックに収録されている「8 Ball」など比較的マイナーな、2011年に発売されたベスト盤『1992-2012: The Anthology』からの選曲が目立った。

 サカナクションが凝ったVJを演出の要としたのに対し、Underworldはストロボ照明を除いて派手な演出はあまり無く、簡潔で完成されていたような印象だった。様々な曲で取り入れられていた、ステージ上に取り付けられたカメラで連写された写真が次々とスクリーンに映し出される演出は、再現性が無いその場限りの演出という意味で、ライブを観たという記憶を唯一無二の体験に変えてくれているようでとても良かった。面白かった演出で言うと、今までのアッパーな流れを断ち切ったミドルチューン「Why, Why, Why」では、等間隔に置かれた棒状の照明が回転しながら光ったり消えたりを繰り返していて、斬新で面白く感じた。

 公演全体を通して、曲が終わった後に『ありがとう、Thank you!』や『ありがとうございます』と挨拶をしたり、曲中に『Tokyo!』と叫ぶなど、日本のファンに対するサービスはとても多かった。特に「S T A R」では、歌詞の『Tom Jones』を『Tokyo』に変えて、『I spy Tokyo, Tokyo down in peckham』と歌詞を変えて歌っていて、周りからは大きな歓声が上がった。また「8 Ball」では、スクリーンで映し出される映像が渋谷のスクランブル交差点付近の定点カメラを早送りにしたもので、この為にわざわざ映像素材を用意したのだと思うと、日本にいるファンとしてはそれだけで嬉しい思いだった。

 最後、『今晩ここに来てくれた、とても勇敢で素晴らしいサカナクションに敬意を表して。』と言って始まった「Born Slippy .NUXX」は、間違いなく今回の公演で一番盛り上がったシーンだと思う。正直、ただただUnderworldに圧倒されてしまって、観た後にはサカナクションのDJセットの印象はだいぶ薄くなっていた。

 公演自体はとても良かったのだけれど、ただ一つ気になったのは、観客の質。今回の公演では、スマートフォンでの写真の撮影が許可されていたのだけれど、それはあくまで写真、つまり静止画のみで、録画は禁止されていた。にもかかわらず、僕の数えた限りでは7,8人ほど、録画をしている人が確認できた。僕の周りの席にいた二人組に至っては、なんとフラッシュを焚きながら動画を撮っていた。さらにその二人組は、演奏中にもかかわらずマスクを外して大声で雑談をし続けた挙句、空になったコップのゴミを残して、規制退場の呼びかけを無視して帰っていった。強い。驚くべきことに、これらをしている人は皆、Underworldの熱心なファンのようで、開演前に『Underworld楽しみ~』や『今日は踊るぞ~!』と話していた人や、周りの人と比べても踊り方が激しい人たちばかりだった。アーティストや演奏に対しての熱意と自分の身の振る舞い方に大きなギャップがあって、その溝の深さにとても驚いた。本当に好きなら演奏中に大声で雑談なんてしないと思うのは僕だけだろうか……。一番チケットの料金が高いアリーナのS席でさえこの様だったのだから、他のエリアはもっと酷かったのではないかな、と思う。ちなみに、最後の「Born Slippy .NUXX」では、曲が始まった瞬間、先ほど触れた7,8人が全員一斉にスマホを掲げ始め、見事な連携に少し笑ってしまった。みんな好きだね……。勿論、これはUnderworldのファンだけではなく、サカナクションのファンも物販列で割り込みをしたりと、マナーに反する行為があったよう。ライブが非常に素晴らしかっただけに、お互いのファンの振る舞いが本当に残念だったなぁと思う。

 と、ネガティブな話をしてしまったけれど、重ねて言うように、ライブ自体は本当に素晴らしいものだった。特にUnderworldについては、今までも音源はよく聴いていたものの、生でライブを観るのは初めてだったので、今回観ることが出来てとても良かったし、何よりパフォーマンスがとても良かった。もしまた来日公演があるなら絶対に足を運びたい。そしていつか、山口さんが復帰した完全体のサカナクションとのツーマンライブもやって欲しいなぁと思う。一郎さん、その時は是非、Underworldとの親和性が高そうなのにセットリストから外されてしまった「SAKANATRIBE」をお願いします。

 

セットリスト

サカナクション
01. 834.194 [新規リミックス]
02. ユリイカ [NF OFFLINEアレンジ]
03. 「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」 [新規リミックス]
04. minnanouta (Ej_REMIX)
05. INORI
06. 僕と花 (sakanaction Remix)
07. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 [新規リミックス]
08. Ame(B) -SAKANATRIBE MIX-
09. SORATO
10. グッドバイ (NEXT WORLD REMIX)

Underworld
01. Juanita 2022
02. Two Months Off
03. S T A R
04. Border Country
05. Push Upstairs
06. Why, Why, Why
07. 8 Ball
08. Jumbo
09. King of Snake
10. Rez
11. Cowgirl
12. Dark and Long (Dark Train)
13. Born Slippy .NUXX

合唱とミニマル・ミュージック|salyu × salyu / 3人のヴォーカリストによるシュティムング @Billboard LIVE YOKOHAMA

 先月の23日、Billboard LIVE YOKOHAMAで、salyu × salyuの『3人のヴォーカリストによるシュティムング』を観てきた。

 salyu × salyu(サリュ・バイ・サリュ)は、Lily Chou-ChouBank Bandへの客演で知られるボーカリストSalyuさんが立ち上げたコーラスプロジェクトで、Corneliusこと小山田圭吾さんをプロデューサーに迎えて、2011年から15年頃まで活動していた。2017年、たまたま見ていたスペースシャワーTVで流れていた「いつか / どこか」を耳にして以来、Corneliusの魅力にすっかり取り憑かれてしまった僕にとって、salyu × salyuは大好きな、それでいてもう観ることが出来ないと思っていた伝説のプロジェクトだった。「ただのともだち」に代表されるsalyu × salyuの楽曲、特にアルバム『s(o)un(d)beams』は、シングル「Point of View Point」から始まってアルバム『Sensuous』で確立されたその独創的な音楽性が、程よくポップスと混ざり合わさり完成され、後の『デザインあ』や『攻殻機動隊』に繋がる、Corneliusの黄金期の始まりの作品だと思っていて、小山田さんの関わった作品の中でも一番好きな作品だった。だから、今回復活してコンサートをするという話を聞いた時は思わず飛び上がってしまった。ただ、今回のコンサートに小山田さんはメンバーとして参加しておらず、行くかどうかはギリギリまで迷っていたのだけれど、それでもやっぱり一度は生で「ただのともだち」を聴いてみたいと思って、チケットを取った。

 会場は、横浜・馬車道にあるBillboard LIVE YOKOHAMA。2020年7月にオープンしたばかりの新しい施設で、東京・大阪に続く国内では3店舗目のビルボード・ライブとのこと。公演によってはドレスコードもあるような、とても格式の高い会場と聞いて怯えていたものの、実際に入ってみると、古着のバンドTシャツにジーパンといったラフな格好の方も居て、服装に関しては意外と気にしなくても良さそうに思えた。

 興味のあるコンサートのチケットを手当たり次第に取っているせいで万年金欠なので、今回は一番安い2階のサイドシートのチケットを取った。一番安いとはいえ7,500円と少し高めの値段設定ではあるけれど、会場が狭いからかステージまでとても近く、公演全体を通してとても観易かった。ただ、これはコロナ禍なので仕方がないことではあるのだけれど、客席を区切っているアクリルパネルがいくらか音を遮ってしまっているようで、スピーカーが近いこともあり音響には少し不満が残った。ステージから遠くなってしまうけれど、正面のセンターシートの方が良かったかもしれない。ちなみに、上に貼った写真はステージの右側、サイドシートのCB6から撮った写真なので、パネルの件も含めてこれからチケットを取ろうとしている方は参考までに。

 横浜公演は二部制となっていて、僕が観に行ったのは16時30分開演の第一部。時間になると会場が暗転し、フロアの後ろからメンバーが客席の中を通ってステージに向かっていった。てっきり舞台袖から出てくるものだと思っていたので、これには少しびっくりした。メンバーが定位置に着くと、ボーカリストが3人とも前に出て讃美歌を歌い始め、本編が始まった。本編は、アルバム『s(o)un(d)beams』の曲と合唱曲、そしてミニマル・ミュージックから構成されていて、再びsalyu × salyuというプロジェクトが動き出す切っ掛けとなったテリー・ライリーの楽曲「What was there」*1や、『コロナ禍で声が出せなくなった時、音楽を奏でるにはどうすればいいかと考えてふと思い出した』という手拍子だけで構成されたスティーヴ・ライヒの「Clapping Music」などが演奏された。また、アルバムをリリースした2011年のツアーでは、当時はまだ新しかった、楽器の演奏ができるiPhoneのアプリケーションを演奏に取り入れていたことを踏まえて、「心」の演奏では、ハープの音を出せるiPhoneのアプリケーションが演奏に取り入れられた。アンコールでは、Salyuさんが客演として参加したBank Bandの代表曲「to U」や、メジャーシーンでの活動の切っ掛けとなったLily Chou-Chouの「回復する傷」が演奏された。

 実際に観て思ったのは、当たり前だけれど合唱のクオリティがとても高いということ。Corneliusからsalyu × salyuに辿り着いた人間として、ついこのプロジェクトの本質を『人間の声を重ねて作る実験的な音楽』だと思ってしまう節があるけれど、最も重要なものはそこではなくて、『人間の声を重ねる』という合唱そのものの部分にあるのだと思い知らされた。今回の横浜公演では、Salyuさんの他に、salyu × salyu sistersの一員としてコンサートにも初期から参加しているヤマグチヒロコさん、今回のツアーからの参加となった加藤哉子さんの二人がボーカル・パーカッションを、皆川真人さんがエレクトロニック・ピアノを、そして林田順平さんがチェロを担当し、バンドメンバーは計5人。DVD『s(o)un(d)beams+』に収録されているライブ映像では、salyu × salyu sistersの4人に加えて、小山田さんやBuffalo Daughter大野由美子さんなど4人がサポートとして、ギターやベース、ドラム、キーボード、シンセベース、テノリオンなど様々な楽器を演奏していた。その時と比べると今回の編成はミニマルで、そのせいもあってか様々な音が複雑に重なり合う「奴隷」や、ベースがフィーチャーされた「Mirror Neurotic」は演奏されなかった。勿論、今回の編成ならではの良さも当然あって、例えば「ただのともだち」や「心」では、エフェクトの掛かったギターがチェロの重厚な音で表現されていて、楽曲に更なる奥行きや味わい深さが生まれていた。また、演奏されるパートが少ないおかげで、ボーカルだけを集中して聞くことができ、Salyuさんを含めたボーカリストの皆さんがどれだけ難しいことをしているのかが、手に取るように分かったことも、今回のコンサートを観て得た収穫の一つと言えるかもしれない。

 今回のツアーでは、コロナ禍を経て『合唱』という音楽の原体験に立ち返ったとMCで述べていたように、映画『サウンド・オブ・ミュージック』から「朝の讃美歌~ハレルヤ」や、幼少期に所属していた合唱団で歌っていた好きな曲として「天使と羊飼い」や「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を選曲するなど、曲そのものの音楽性ではなく、『合唱』という部分に重きを置いていた。特に、「鏡の中の鏡」は元々合唱曲ではないのにもかかわらず、ピアノのパートをそのまま合唱で再現していて、メトロノームに合わせてそれぞれが違う音を歌い、それらが重なって一つの曲になっていく様は僕がsalyu × salyuに対して持つイメージそのもので、Salyuさんがこのプロジェクトを立ち上げた理由がなんとなくわかったような気がした。

 これは「Hammond Song」の音源を聴いて思ったことでもあるのだけれど、アコースティックギターやピアノだけの最低限の編成でも、もっと言えばアカペラでも、聴いていて満たされるような感覚になるのが、合唱の凄いところだなぁと思う。勿論、Salyuさんがアルバム『POINT』を聴いて小山田さんにオファーをしたという経緯や、オファーの切っ掛けとなったクロッシング・ハーモニーという声楽の理論、ミニマル・ミュージックの巨匠であるテリー・ライリーがsalyu × salyuに客演のオファーをしたこと、そして同じく巨匠であるスティーヴ・ライヒの「Clapping Music」をカバーしたことを踏まえると、あながちミニマル・ミュージックにも通ずる実験的な側面があることは間違いないのだけれど。

 本編のMCでは、salyu × salyuを含めたコーラスワークについて、『ライフワークにしたい』『こんな大勢の方が再スタートを観てくださって嬉しい』と述べていたので、もしかすると今後もこの体制で活動を続けていくのかもしれない。salyu × salyu、そしてCorneliusのファンとしては小山田さんがプロデュースする2枚目のオリジナルアルバムを期待したいところ。いつかフルメンバー揃ってのsalyu × salyuのコンサートが観られたらいいなぁと思います。

 

セットリスト

01. 朝の讃美歌 (Morning Hymn [from "The Sound of Music"])
02. ハレルヤ (Alleluia [from "The Sound of Music"])
03. ただのともだち
04. Sailing Days
05. 心
06. What was there [Terry Riley]
07. Clapping Music [Steve Reich]
08. 天使と羊飼い (Angyalok és pásztorok [Kodály Zoltán])
09. 鏡の中の鏡 (Spiegel im Spiegel [Arvo Pärt])
10. s(o)un(d)beams
11. Hostile to Me
12. 続きを
EN1. to U [Bank Band with Salyu]
EN2. アヴェ・ヴェルム・コルプス (Ave verum corpus [Wolfgang Amadeus Mozart])
EN3. 回復する傷 [Lily Chou-Chou]

*1:他の方の書かれた文章を読むと「What was there, what was not」となっているので、そちらが正式なタイトルかもしれない。ここではMCでの曲紹介の通り「What was there」とします。

レア曲づくしのライブ。|Hello Sleepwalkers / 夢遊同盟 presents「月齢ゼロ」@新代田FEVER

 6月9日、いわゆる『ロックの日』に新代田FEVERで行われた、Hello Sleepwalkersのライブを観に行ってきた。

新代田FEVER
続きを読む

KIRINJIと僕。

 僕がKIRINJIと出会ったのは、確か高校2年生の頃だった。現代文の授業中に、先生が教室のテレビで、「killer tune kills me feat. YonYon」を流し始めた。それが、KIRINJIとの出会いだった。


www.youtube.com

続きを読む

はじめに

 はじめまして、フユシロといいます。

 ここでは、観に行ったライブやイベントの感想、買ったCDや聴いた曲など、主に音楽のことについて書いていこうと思っています。

 以前もブログはやっていましたが、当時、特に中学生だった頃の文章は、書いている内容も稚拙で見るに堪えないもので、そういった過去を一度全て捨て去り、また新しく一から始めるために、こうやって新しくアカウントをTwitterも含めて開設しました。

 マイペースに更新していきますが、どうぞよろしくお願いします。